音楽

ボストンの指揮者、小澤征爾

クラシックギターのセゴビアもそうだが、とびぬけた演奏家は、やはり巨匠になる前、若い頃に迫真のものがあるのだと思う。YouTubeのおかげで、そういう映像や録音に、簡単に触れることができるようになった。 マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」 Sop シェレ…

2015 東京国際ギターコンクール本選

11月末から12月10日にかけては、浜松国際ピアノコンクールをはじめにして、音楽を生で鑑賞する機会が、なぜか目白押しの日程となった。そういう日々を過ごすのもいいものだが、この6日の東京国際ギターコンクール本選は、午後1時から6時ぐらいまでかけて、延…

2015 浜松国際ピアノコンクール ガラコンサート鑑賞記

3年に一度、浜松という武骨で職人気質でヤンキー文化な特徴をもった地方都市で、そのキャラクターに似合わぬほど文化的に洗練され、かつ、最先端を切り拓くような、浜松国際ピアノコンクールが開かれる。今の今でも、何でこんな潜在力が浜松にあるのか、よく…

ドニゼッティ『リタ』 ミニ講演 in 浜松

浜松にて、ドニゼッティのオペラ、リタを鑑賞する機会を得た。といっても、室内楽的オペラで、ピアノ伴奏と、ソプラノ、テノール、バリトンのみ。クラシック界では、「オペレッタ」という分類の作品上演はほとんどきかないが、今回のような全長60分程の、一…

ポゴレリチのアリエッタ

ピアニスト、ポゴレリチは、大学時代にブラームスのピアノ間奏曲集をたまたま購入して、彼の背景をよく知らずに、その世界に耽溺して以来のファンなのだが、先日、新宿タワーレコードに立ち寄った際、彼の若かりし日のベートーベンピアノソナタ32番のCDが、…

森麻季によるヘンデルのアリア

本日、NHK FMの毎日やっている夜のクラシック番組を、午後9時頃聴いていたら、この曲が流れてきた。曲調は知っていたが、改めて聴かされると、ヘンデルの非常にいい部分がでた、艶と芯がしっかりあるメロディーだと胸に来るものがあった。彼の曲は、メサイア…

伊藤乾氏による、簡易版『トリスタンとイゾルデ』鑑賞記

1.総評 一昨日、12月1日に、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を拝聴観劇してきたのだが、その会場は、なんと三田にある慶応大学の北館ホールという、200人〜300人そこらでいっぱいになりそうな小ホールだった。ツイッターで、勝手にいろいろお世話…

ラシュコフスキーリサイタル in 浜松

昨年の浜松国際ピアノコンクールに優勝した、ラシュコフスキーのリサイタルが一昨日(11月22日)あり、近いし安いし、時間もあったので、また聴いてきた。とにかく、完成度の高い演奏をされるようになり、確実に、この一年の、優勝者ツアーや、オーケストラ…

20才のシュトラウスとブラームス

昨日、久しぶりにCDでR.シュトラウスのピアノ四重奏を聴いたのだが、あまりにすばらしく、You tubeで探し当てたので紹介したい。ブラームスの影響を受けた作品だが、ブラームス流の憧憬の曲調に、さらにシュトラウスの輝き、若さ(1885年、20歳当時の作品で…

ラシュコフスキー凱旋公演 in 浜松

本日、昨年のピアノコンクール優勝後、再来日して演奏行脚をしているラシュコフスキーが浜松でコンサートに出演した。地元信用金庫主催のファミリーコンサートで、ラシュコフスキーはメインゲストといった感じである。生誕200年記念のヴェルディのオペラアリ…

平野昭教授のシリーズ「音楽探訪」 2

本日は、別の予定を入れようと思っていたのだが、今日でないといけないということもなかったので、せっかくだったので、今年最後の、シリーズ「音楽探訪」に先週金曜日同様、足を運んだ。先週は、比較的空席があったので、今日は、あまり急がずに仕事から帰…

平野昭教授のシリーズ『音楽探訪』

浜松楽器博物館では、毎年6月に、シリーズ「音楽探訪」と題して、元静岡文化芸術大学教授で、現在は慶応大学に行ってしまった、平野昭教授による、クラシック音楽の講義をきくことができる。浜松は、楽器の町から、音楽の街に脱皮しようと、官公庁主催で、国…

 リヒャルト シュトラウス 『メタモルフォーゼン』

これは、8年ぐらい前に、仕事から帰る途中の車の中で、20時過ぎのNHK・FMから流れていた曲だった。「古典的な香りがするものの、20世紀に書かれた現代曲だろう。だが、なんと深い曲想で、妙なる構成をした弦楽合奏だろうか。どこのどいつが、こんな曲を書い…

ラシュコフスキー凱旋東京公演

2月27日に、東京芸術劇場で、夢の競演が再演された。昨年の浜松国際ピアノコンクールでラシュコフスキーを勝手に見守っていた者としては、あの本選の演奏を、一夜だけのサプライズ、あるいは幸運に終わらせずに、さらに、浜松が選び抜いたラシュコフスキーの…

ワーグナー『タンホイザー』より 巡礼の合唱 

ワーグナーの楽劇の世界は、憧れてはいたものの、長大すぎて、数年前まではなかなか近づけなかった。また、排他的なドイツ民族主義や、その後のナチスドイツとの関連も連想させるものもあり、真剣に向き合って聴き込むことを、やや敬遠していたという部分も…

『聖母の御子』 El Noi de la Mare

どこかで聞いた気高いメロディーで、何の曲だったかわからなかったのだが、たまたま買ったティモ・コルホネンというギタリストのショパン編曲物CDに入っていて、「聖母の御子 El Noi de la Mare」という曲だとわかった。スペインとフランスの南側国境近くに…

ジャクリーヌ デュ プレのフランク バイオリンソナタ、チェロ版

本日、車で移動中に、たまたまNHKのFMをきいていて、「どこかで聴いたチェロソナタだが誰の曲だっただろうか。ブラームス調の音の運びもあるが、そこまで渋みはなく、ベートーベンにしては古典の香りが少ない。メンデルスゾーンは、ここまで深い曲想をかくこ…

浜松国際ピアノコンクール3

本選1日目、11月23日にも会場に足を運んだ。4階席には空席はそれなりにあるものの、私が座った3階席の下側はびっしり埋まっていた。 最初は内匠慧君で、ラフマニノフの協奏曲第2番を演奏した。出だしから、中声部の音の粒も、はっきりと出すなと感じるとこど…

浜松国際ピアノコンクール2

来年(平成25年)の1月まで、公式サイトですべてのコンテスタントの演奏録画動画が、視聴できるようになっている。イヤホンで聞けば、ステレオで音もすごくいい。 http://www.hipic.jp/videos/streaming/ 3次予選、第2日目にも、会場で聴くことができた。一日…

2012年 浜松国際ピアノコンクール 1

3年に一度、浜松で国際ピアノコンクールが催されており、今年は11月10日から、昨日の入賞者東京披露公演まで日程で開催された。前回の第7回から、せっかく近くでやっているので、時間があるときに予選の段階から足を運ぶようになったが、今回はより意識して…

『トリスタンとイゾルデ』より、「イゾルデの愛と死」ピアノ編曲版

ワーグナーの楽劇、トリスタンとイゾルデの最後の「イゾルデの愛の死」は、クラシック音楽の中でも屈指の名曲だと、個人的には思っている。さらに、ワーグナーの義父にあたるリストがピアノに編曲したものがあり、これも、ピアノ音楽の中でも、屈指の曲だと…