『聖母の御子』 El Noi de la Mare

 どこかで聞いた気高いメロディーで、何の曲だったかわからなかったのだが、たまたま買ったティモ・コルホネンというギタリストのショパン編曲物CDに入っていて、「聖母の御子 El Noi de la Mare」という曲だとわかった。スペインとフランスの南側国境近くに位置する、カタロニア地方の民謡で、キリストの誕生を、素朴にいわうクリスマスソングとのことだった。その歌詞がまた暖かくていい。幼子イエスというと、聖母子像でのイメージはあるが、それは、あくまでも神格化されたイコンになっている。ここで歌われるイエスは、おいしいものをほしがる、時間的に生きている坊やである。乳児イエスへの子守唄のような感じだ。そんな乳児イエスが担って来た「この世じゃ聞かない誉れの歌を」というのも泣ける。

(ネットから引用で、アルファベットは不ぞろいで失礼)

kE li darEm an al nOi da la mAra?
(かあさまの坊やに何をあげよう?)
kE li darEm ka li sApiga bO?
(なにをあげよう、おいしいものを?)
pAnsaz i figaz i nOuz i ulivas,
(干しぶどうにイチジク、クルミにオリーブ)
pAnsaz i figaz i mEl i mato.
(干しぶどうにイチジク、蜜に牛乳どうふ)

Anjals dal sEl son als ka lambrasOlan,
(空の天使たちの腕にあやされて)
Anjals dal sEl ka li fAn vani sOn,
(この世じゃ聞かない誉れの歌を)
mentra li kAntan kansons dalegria
(楽しい歌を聞かされながら)
kAns da la glOria ka no son dal mon.
(連れて来られたこの坊や)

 You tubeがあると、いろんな演奏がみつかる。このメロディーにのせられている暖かい思いや感情が、たとえ歌詞や背景をしらなくても、人々をして歌わしめるのだろう。こういう素朴な曲は、ピアノよりギターの方が合っている。地元スペインのクラシックギターの巨匠セゴビアの映像が残っているのをみつけた。演奏の安定感とギター音の表現力の豊かさは、さすがである。最後のJerry Roberts というおじいさんのギターも、気持ちと年季の入った、独特の歌心がある。


歌 大城みほ  http://www.youtube.com/watch?v=DIdO88xGRIA

ギター セゴビア http://www.youtube.com/watch?v=QrdpmM-dI3g

オーケストラ伴奏つき合唱 http://www.youtube.com/watch?v=0b-D6iUXLxo

幼児合唱 http://www.youtube.com/watch?v=V5v8H_OAd5s

ギターとバイオリン http://www.youtube.com/watch?v=LYHrT2ZK7Ag

ギターJerry Roberts  http://www.youtube.com/watch?v=4ASTXsMJyTE