炭素税不要という点で、温暖化懐疑論者は原発推進派と同一の立場である

  温暖化問題は、2006年前後に少し調べたり本を読んだりしたことはあったが、「人類の活動による二酸化炭素地球温暖化を起こすというのは、原子力産業が化石燃料からエネルギー実権を握りたいための科学の衣をかりた陰謀的な主張だ」という陰謀論的な温暖化懐疑論者が、副島隆彦グループをはじめ、ちらほら出現していたので、「お前ら本気か」と思っていた。IPCCは千人単位の科学者が、査読された既出論文を、さらに検証して、その時で言いうる科学的見解を、「70%正しい」とか、まどろっこしいぐらいの、確率的な控えめの表現をつかいながら主張してきた。こういう所に、本来の、仮説への反証を十分に経た上でしか、大きな結論はださないぞという、IPCCの愚直な姿勢をむしろみていた私にとって、彼らの営みを原発産業の陰謀論で一刀両断する、評論家連中の浅ましさを感じていた。都合のいい仮説として、原発産業が利用しようとする動きはもちろんあるかもしれないが、この科学的な愚直な、膨大な研究の集積は、否定しようがないものである。しかし、この陰謀論にかかると、「測定」や「科学」自体が懐疑されてしまうような言論の雰囲気を持っているように感じる。
 私は、セシウム137をはじめとした長寿命放射性物質の人体、あるいは生態系全体への悪影響について、バンダジェフスキーを支持しているが、それは、彼が臨床的事例や、実感を無視せずに、しっかりと対象として測定し、科学的に検討し、結論を得ようとしていたからである。これは、むしろ、温暖化問題については、IPCCの姿勢につながっている。 しかし、クライメートゲート事件という、陰謀論者には、格好の材料が2009年にマスメディアから提供されていたが、その後、どうなっていたのか?40度越えの、昨年までとは明らかに次元を異にする異常な温暖化を示す日の報道への違和感から、以下のツイートが始まる。最終的には、陰謀論的な温暖化懐疑論によれば、原発産業は化石燃料を抑制するために炭素税導入を促進したがるはずなのに、現実は、その逆であるということから(下記リンク7.の明日香論文p277最終段落参照)、その陰謀論的な動機づけに根を張る懐疑論は崩れるのではないかということである。言い換えると、日本において、原発推進派は、炭素税、排出量取引などの彼らの主導するといわれる似非科学にとっての果実であるところののCO2削減に実効的な政策を、推し進めるどころか、それに反対している。この点、日本の原発推進派の政治的行動は、温暖化否定論者とまったく重なるのである。これは、温暖化CO2説により、炭素税が導入され、省エネ、再生エネルギーなど進みすぎると、全体のエネルギー需要が減り、ただでさえあまり必要ない、原子力の出番がなくなって困るからということではなかろうか。だから、化石燃料産業 対 原子力産業は温暖化問題では陰謀論がいうほど対立はしておらず、本当の対立は、化石燃料原子力などのエネルギー多消費産業と、炭素税・省エネ政策、自然再生エネルギー産業ではないだろうか。この現実を考慮すると、陰謀論温暖化懐疑論の日本における普及は(一種の知的ファッションになっている向きがある)、原発推進派にとっては、意外な援軍となっているはずである。


ツイート読むのが面倒な人向けに、今回の検索で習得したリンク集を先に提示しておく。

1.気候研究ユニット・メール流出事件  (クライメート事件のその後)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%88


2.環境省サイト IPCC第4次評価報告書についてより
独立レビュー組織による「クライメートゲート事件」レビュー報告書に関する英国イーストアングリア大学の声明
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/ipcc_statement/20100708.pdf


3.国連及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の要請に応じた、IPCC のプロセスと手続についての、科学アカデミーによる独立レビューの実施
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/ipcc_statement/20100310a.pdf


4.地球温暖化に対する懐疑論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%87%90%E7%96%91%E8%AB%96


5.【直球&曲球】野口健 「地球温暖化対策」はどこへ消えたのか - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130808/trd13080815310008-n1.htm


6.COP17/CMP7(ダーバン会議)の結果と評価 2011年12月 気候ネットワーク
http://www.kikonet.org/theme/archive/kokusai/COP17/COP17result20111228.pdf


7.『日本の温暖化外交が死んだ日』 「世界」2012、4月  明日香壽川
http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/_src/sc295/90A28AE8AF18De201294N48C8E8D86.pdf
上記で指摘したp277最終段落を挙げておく
「いずれにせよ、福島原発事故以前は、「日本では原子力があれば省エネも再生エネも不要」という一部の政府関係者やエネルギー産業界の勝手な理屈によって、実質的な温暖化政策がストップさせられていた。例えば、炭素税や排出量取引などの実質的な温暖化対策に反対していた人たちと、原子力発電を推進していた人たちは、ほぼ完全に重なっている」


8.『地球温暖化懐疑論批判』
http://www2.ir3s.u-tokyo.ac.jp/web_ir3s/sosho/all.pdf#search='%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E6%87%90%E7%96%91'
明日香壽川 河宮未知生 高橋潔 吉村純 江守正多 伊勢武史 増田耕一  野沢徹 川村賢二 山本政一郎

 この分野の日本での草分け的文書だが、懐疑論者の槌田氏に「名誉棄損」で訴えられ係争中らしい。それもあってか、表からはリンクがみつからないようになっているようだ。この問題は、まさに、天動説に無邪気に残るか、コペルニクス地動説を受け入れるかどうかぐらいの歴史的問題である。





1.後藤、星のツーショットを惜しげなく晒す、テレビ朝日猛暑報道への不快感から、ネットでの検索へ


日曜報道ステーションをみると、後藤と星のニコニコツーショット。これだけでも終わっていると思うが、40度越えの猛暑に対しても、ひたすら熱中症予防を、と医師をだして症状解説。太平洋高気圧が活発ということだけしか原因はのべず、この数十年来つづく明らかな気温上昇傾向を完璧に無視。


一貫性と常識を保つ報道番組であれば、地球温暖化の議論は今どうなっているのか、CO2の要因は、他の人間活動あるいは太陽活動の要因は?と、再考する絶好の機会だが、完全に黙殺。「かえるが、なべの中に入れられ知らないうちにゆであがっていく」を、地でいっている状況にある。


この猛暑に関して、「太平洋高気圧ガー」と目前の要因だけで説明し、納得させるのは、放射性物質内部被曝要因を隠蔽するために、だれでもわかる「ストレスガー」と繰り返すことと同じである。


2005年ぐらいの時点までは、地球温暖化問題は、テレビニュースではタブーのような扱いで、現在のような状況にあった。ある時点で、報道ステーションが大々的に温暖化特集を組み、大企業コマーシャルも「温暖化に取り組む」といった内容になった。ここで、経団連報道規制を解除したのだと思う。


3.11以降、原発問題もあり、なんとなくうやむやになり、さらに、クライメートゲートというCO2説を疑問に付すような事件で、うやむやにされた。これまでも、CO2説は、石油会社側から執拗な攻撃にあっているが、今回の事がどの程度政治的で、どの程度科学的なものか、集中的に議論すべきだ。


仕方ないので、自分でWikipediaで、クライメートゲートに関する項目をみてみた。あの後、数年間かけて英国政府や、温暖化懐疑論の物理学者などが、データをすべて検証しなおしたが、科学的な不正はみつからず、地球温暖化二酸化炭素主因説は、覆っていないということだ。


気候研究ユニット・メール流出事件  (クライメート事件のその後)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%88
調査結果の発表後、ニューヨーク・タイムズニューズウィーク誌で、メールの内容はそもそもスキャンダルではなかった[25]のであり、事件と同様に調査結果も大きく報道されるべき[26]などの指摘がなされた。


気候変動に関する研究者は、当該の文章は選択および歪曲されたうえで文脈を無視して公表されたと主張している[4]。CRUの研究者は、その電子メールは「文脈が無視されており、正直な意見の交換を単に反映した」ものであると述べた[33]。


この事件は一般のメディアでも報じられ、標的とされたUEAのCRUの所長が一時的に所長職から離れる等の事態となった。しかし公的機関による調査の結果、不正の事実は何も見あたらなかった。科学的にも、CRUの報告に疑念の余地が無いことが当初から指摘されており、新たな分析でも一致する結果。


2010年3月、英国議会の庶民院(下院)は調査報告書を発表した[23]。メールに見られたtrickなどの口語は事実を歪めるような企みを意味するものでは無く、またジョーンズが査読プロセスの妨害を図る内容も無かったと指摘している[24]。


またジョーンズが当初データの開示要求を中傷と見なし、開示を拒んだことは理解できると指摘する一方、UEAが事態の収束のためにより速やかに公開を進めるべきであったとも指摘している[24]。


またデータそのものの正当性の判断に関して、報告書は下述のOxburgh卿の率いる評価パネルに判断を委ねた[24]。2010年4月14日、Ronald Oxburgh卿の率いる科学評価パネルは、CRUの科学研究には不正は認められないと報告した[5]。


一言で言えば、クライメートゲートは研究者のメールハッキング、意図的な解釈による、小沢冤罪事件のようなものだったということである。クライメートゲートの報道は、私の耳には届いたが、その後の誠実な調査結果は、まった報道されていない。か、小さく、きづかないような扱いで記事になっていたか。


つまり、クライメートゲートは、政治的なものだったということであり、その目的はかなり達成されている。「小沢は金の亡者だ、政治屋だ」という意識が庶民に根付いているように、地球温暖化を言う科学者は、眉唾物だという意識だ。


地球温暖化対策は、ヨーロッパのみが、誠実に履行しようとしている。結局、科学文明を生み出した、社会的土壌、深みがあるのか、それとも、それを猿真似して発展しようとするだけの社会なのか、それを反映しているのだと思う。


この点を、クライメートゲート後を、さらに地球温暖化の進行の危機を、報道するメディアが、まったくない。IWJもしないし、むしろ、温暖化論懐疑派のインタビューをしていたりする。放射性物質問題と同程度か、より重要な、喫緊の課題であるにもかかわらずだ。


クライメートゲートについては、あれだけの検証がなされ、事実無根だということが判明したというにもかかわらず(Wikipedia記事参照)、ほとんどの人は、まだ温暖化人為説が、あれによって決定的な打撃を受けたと判断している。


副島グループが、これを陰謀論として否定し、中途半端な文系脳はこれだからだめだと思っていたが、それが、ネット界ツイッター界でもかなり、一般的な見解になっているようだ。そんなんでいいの、日本人よ。


温暖化二酸化炭素説がネット界でも受け入れがたいのは、反原発のバイアスがかかっているからかもしれない。あれは、原発企業のプロパガンダだと。


一言で言えば、クライメートゲートは研究者のメールハッキング、意図的な解釈による、小沢冤罪事件のようなものだったということである。クライメートゲートの報道は、私の耳には届いたが、その後の誠実な調査結果は、まった報道されていない。か、小さく、きづかないような扱いで記事になっていたか。



2.地球温暖化の実感を素直に認める人、それを裏付ける地道な科学的営みと、それを簡単に否定するコメンテーター、評論家

しかし、一つの命題、文章を書くために、数年の研究をついやすような地道な仕事をしている研究者が、束になって、何年も何年も積み重ねた研究結果を、「捏造」と断定してしまう日本の代表的論客たち。科学と世論の乖離。少なくとも、科学は世論よりも頑強である。


【直球&曲球】野口健 「地球温暖化対策」はどこへ消えたのか - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/life/news/130808/trd13080815310008-n1.htm… /現場をみてきた、野口さんだけが、今のところ、私の味方だな。現在の日本も立派な現場だと、なぜ思わないのか不思議だが。


引用 「そんな中、昨年5月にヒマラヤで大規模な洪水が発生。ネパールのメディアは氷河の崩壊により川がせき止められ、氾濫したのだろうと報じた。直後に私もその現場に飛んだがいくつもの村が跡形もなく消えていた。」


IWJの伊藤公紀インタビューみようと思ったら、サポート会員という上級会員でないとみれなかった。しかし、ヒマラヤの氷河が勢いよく融けるという報道は、誇張された根拠のない報道だった、リテラシーが大事だと。本当だろうか?野口さんも誇張なのだろうか?


ホッケースティックは、嘘だ、統計的なトリックだという。実感はどうなのだ。1970年以降、明らかに上昇しているという実感は、否定するのか、リテラシーがないから、実感は否定するのか。それから、クライメートゲートの総括については、Wikiの触れていたことは、まったく触れていない。


池田香代子が、放射性物質の危険性を心配し自主避難している人たちを哀れんで、「科学がわからず、リテラシーがないから動いた人たちだけど、共感はしてあげる」風の言い方をしていたが、私は実感を無視するリテラシーは眉唾だと思う。


ヒマラヤの流された村の少女は、伊藤公紀の温暖化セカンドオピニオンを読んで、「リテラシー持たなきゃ、氷河が急に融けるなんで、誇張されてるだわ。そんなひどくないんだ」と思って、村に留まっていたかもしれない。発言者が現場感覚のある科学者かどうかが、重要になる。これは意外と難しい。


温暖化問題に向き合えば、同時に、原発問題にも向き合えば、地熱、風力、水力、波力などの自然エネルギーになる。そのくらい、人類という種、人間活動は追い込まれて、袋小路に来ているのだという自覚である。ニュー江戸時代に発展してゆけばいい。


「専門の研究者からはデータ捏造を疑う声が上がっていないのに対し、リンボー等の多くの保守系コメンテーターはデータの捏造と断定しており、人為温暖化はhoax(ウソ)であるとの以前からの主張の補強に援用している。」


35.^ Guardian該当部分直訳は、「陰謀論者がお祭り騒ぎをしている。が、陰謀論者らがもしまともに研究の世界のことを知っていたなら、出版された論文やデータセットが、常に別の研究者グループによって、継続的に厳しい目でチェックされていることがわかるだろう。」


IPCC報告書に用いられた情報は、科学の全分野の中でももっとも厳しく論議され、試されてきた部類に入る。」このガーディアン記事も、懐疑論者にいわせれば、IPCCは利権の巣窟で、一笑に付すかもしれんが。


地球温暖化に対する懐疑論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%87%90%E7%96%91%E8%AB%96
ここに、武田邦彦、伊藤公紀が、懐疑派に分類されている。日本の懐疑派は、「遅れてやってきた懐疑論」で、ガラパゴス現象のようである。夏休みの宿題ができない生徒の、強引な言い訳みたいなものか。ただ、いずれ、克服できるものだとは思う。




3.明日香教授の「日本の温暖化外交が死んだ日」と、COP17でのダーバン合意 
  日本はすでに、詭弁を弄して、温暖化防止策から降りていた

『日本の温暖化外交が死んだ日』 「世界」2012、4月  明日香壽川
http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/_src/sc295/90A28AE8AF18De201294N48C8E8D86.pdf


明日香教授の名前は知っていたが、武田と明日香が、「たかじんのそこまで行って委員会」で、2010年に討論していたようだ。さらに、懐疑論者の槌田氏から、明日香による「温暖化懐疑論批判」が、名誉毀損に当たると訴えられていた。通りで、見れなくなっているわけだ。


その裁判記を、明日香の論法がおかしいという趣旨で、脱原発団体たんぽぽ舎の方が、熱心に書いている。なんだが、日本ならではの屈曲したどろどろした、抜け出せないような罠に、地球温暖化論ははまっている。


地球温暖化懐疑論は、普通は、米国では茶会派、進化論否定論者などと重なるとのことだが、日本では、妙に、進歩的な脱原発論者と重なってくる。本来ならば、温暖化懐疑論を批判するであろう立場のジャーナリストが、懐疑論に染められる。


日本の脱原発団体が染まる、熱心な温暖化陰謀論を、むしろ、米国共和党系・自民党経団連系の温暖化対策を本気でやられたらかなわん人々が、うまく日本の世論形成に使っているような、そんな構図もないだろうか。


直接的な石油利権のある自分たちがやるよりも、陰謀を暴く正義のジャーナリスト、学者にやってもらったほうが、楽だろう。原発事故から、科学者や科学政策への不信がたかまり、それが、温暖化理論をつくった科学者への不信につながっている。


石油系の温暖化理論攻撃の最後っ屁のクライメートゲートを、日本の反原発団体がしっかりと受け継ぎ、原発事故後の御用学者批判の中で開花した。こんな構図か。


COP17/CMP7(ダーバン会議)の結果と評価 2011年12月 気候ネットワーク
http://www.kikonet.org/theme/archive/kokusai/COP17/COP17result20111228.pdf
京都議定書後をどうするか決める会議の合意内容。米国の単独離脱行動に、日本、カナダ、ロシアが悪乗りした構図。EUは先進国としての姿を見せ続けた。


連投1 『日本の温暖化外交が死んだ日』 「世界」2012、4月  明日香壽川 http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/_src/sc295/90A28AE8AF18De201294N48C8E8D86.pdf 「しまうま珈琲」なる名古屋系喫茶店で、40分ぐらいかけて読んでみたので、岩上兄貴ばりに、ポイントと思う所を連投開始します。


連投2 最終日、合意形成の後に、EUの交渉担当トップのヘデゴーが各国の交渉担当官と抱き合う姿があった。その喜びの輪の中に、日本の交渉担当官はいなかった。


連投3 会議で最大の焦点だった京都議定書第二約束期間設定に関しては、反対した日本などの国々も、賛成した国々も、どちら側もその理由を「世界の温暖化対策を前進させるため」としていた。では、どちらが間違っているのか、あるいは、嘘をついているのか?


連投4 日本と同じポジション(すべての国が参加しないと決めても意味がないから入らない)をとるのは、194カ国のうち、ロシア、カナダ、米国の3カ国のみで、圧倒的な少数派。


連投5 これら3カ国の政策決定に影響力を持つ勢力は、化石燃料産業やエネルギー多消費産業などに従事し、既得権益を損なうという理由で、温暖化対策に反対している人たちである。


連投6 それぞれ、温暖化対策否定派を支持基盤としており、大統領や首相が、温暖化など起きていない、CO2が温暖化と関係ない、温暖化したほうがいいといった、温暖化懐疑論にもとづく発言をする。


連投7 中国、インドなどの枠組み参加という以前に、温暖化対策への必要を感じていない。(注 この圧倒的少数派の4カ国の主要政治家たちが)


連投8 そこには、自分たちの利益への関心はあっても、国益地球益への配慮はない。・・温暖化によってより大きな被害を受ける脆弱な国々であるアフリカ諸国や小島ショ国はどう考えるのか?そして、言うまでもなく、彼らこそが京都議定書第二約束期間を強く望んでいた国々だ。 


連投9 (自己注 温暖化懐疑論者たちは、アフリカ諸国、小島ショ国にいって、是非、自説を述べ、CO2を遠慮なく出して、われわれと発展しようと言ってきたらどうだろうか?)


連投10 その主張が間違っている、あるいは嘘をついているというのは、米国、ロシア、カナダ、日本の4カ国の方である、少なくとも国際社会ではそういう認識が主流である。


連投11 現在、米国における政治的現実がまともではない。大統領選共和党候補全員が、共和党員であることの踏み絵として「自分は気候変動に関する科学を信じない」あるいは、「オバマ温暖化対策法に反対」と表明せざるをえない状況。


連投12 すなわち、共和党と米国議会、特に上院は、温暖化対策懐疑派にのっとられているといっても過言ではない。


連投13 これに応じた日本政府の主張は、京都議定書第二約束機関を抹殺するだけでなく、国際社会全体を、温暖化対策に関する規制もインセンティブも何もない無秩序で混沌とした世界に逆戻りさせてしまうことになる。


連投14 (自己注 米国との集団安保、自衛権発動体制も、同じく、潜在的に、国連安保理を骨抜きにしかねない要因になると思う)


連投15 世界中の国が参加しない枠組みは実効力がないから参加しないという日本交渉ポジションは、世界の26%でも一緒にやることを否定し、0%の状況を招くものであるが、日本政府は明確に、それを日本の環境外交の獲得目標としたと言える。


連投16 COP17では、日本などの実質的な妨害にもめげずに、EUと途上国、特にアフリカ諸国や小島ショ国などの温暖化被害に苦しむ国々が妥協を重ね、合意作りに最大限の努力をした。一方、日本は、実質的に交渉の足を引っ張って、最後は無視された存在であった。


連投17 (自己注 これが日本の今後の国際社会での位置づけを、占っているようで、嫌になる。自己中、利益重視で、いざとなったら米国とつるんで脅しに入る。自国民はブラック社会に苦しむ)


連投18 実質的に法的拘束力を脱した日本は、温暖化対策に対する意識は緩まるばかりである。残念ながら、2020年まで、外交、国内対策という意味でも、日本が「失われた8年」を迎える可能性が高い。(日本は、すでに温暖化対策はもう形骸化した環境になっているとは知らなかった)


連投19 多くの日本政府関係者は、明らかに世界の温暖化政治のダイナミズム、そして、早急な温暖化対策を必要とする人々の強い意志を見誤った。


連投20 日本政府は国際社会からの信頼を喪失し、そして悪役になってまで、何を守ろうとしたのだろうか?端的に言えば、経団連などの国内支持基盤への義理とメンツである。


連投21 さらに環境先進国と考えられていた日本のイメージ低下は、日本のビジネスにも大きなマイナス影響となる。(これは靖国参拝を公然と認める国に、ミャンマーが大規模空港工事を受注しないだろうことと、重なる)


連投22 日本は、いくつかある選択肢を自ら葬り去った。・・現在、日本においては、複数の政策オプションに対するコストベネフィット分析を冷静に行なうキャパシティがない。それは、霞ヶ関の責任というよりも、永田町の責任である。・・日本のマスコミ報道も批判されるべきである。


連投23 各国は日本の不作為に対して、「温暖化対策をしたくない国」という決定的なレッテルを貼ったのである。現在、国際社会が日本に対して持っている感情は、おそらく、私たち、温暖化対策を進めるべきと考える研究者が温暖化懐疑派に対して持つ感情と似る。それは一言で言うと「諦め」である。


連投24 例えば、米国において温暖化懐疑派とかなりダブっている茶会派のような人たち(進化論否定論者ともかなりダブっている)を外国人の我々が説得するのは現実的に不可能なのである。


連投25 論理も倫理もない人たちにつきあうのは疲れる、時間の無駄だ、というのが、少なくとも温暖化問題に関しては、国際社会が今の日本に対して持つ感覚なのである。 (よーわかるわ)


連投26 「汚染者負担原則」は深く語られず、加害者として自分たちが排出している温室効果ガスが、脆弱な地域に住む世界の人々を苦しめている(40度連日超え、2桁の死者をだしている、さらに出すであろう日本も、もう例外ではない)という自覚がない。


連投27 地球温暖化問題は、CO2という希少資源の配分問題だ。・・温度上昇を2度に抑えるためには、2049年までに1440ギガトンしか許されない。これは、1440ギガトンを、現世代、および、次世代で、なんらかの公平性の原則に基づいて分配しなければならないことを意味する。


連投28 洪水や旱魃に苦しむ国々は、この公平性にこだわっているのである。その切羽詰った状況や思いつめた意識と、日本に蔓延する「エコ」とか、「地球に優しい」という浮ついた言葉との間にある格差の圧倒的な大きさには悲しくなる。


連投29 温暖化問題の交渉は、公平性の問題を十分に認識していかなければ、絶対に前に進まない。それは、水俣病でも福島原発事故でも、加害者であるチッソ東京電力が、ある程度加害者であることを認めなければ合意は成立しないのと同じである。(懐疑論は、加害者責任を免責する論理にもなる)


連投30 原子力が温暖化防止に役立つと喧伝していたのは日本政府と原発関連企業とマスコミだけである。・・積極的に推進していた研究者も一握りで、それもなんらかの形でエネルギー業界とつながりがある人たちが大部分である。


連投31 福島事故以前は、「日本では原子力があれば、省エネも再生エネも不要」という一部政府関係者、エネルギー業界の勝手な理屈によって、温暖化対策はストップさせられていた。


連投32 例えば、炭素税や排出量取引などの実質的な温暖化対策に反対していた人と、原子力事業を推進していた人たちは、ほぼ完全に重なる。


連投33 (自己注 これが決定的だと思う。原子力推進派が、化石燃料を否定し原発に移行させるための、温暖化論の黒幕なら、率先して炭素税も推進すべき所を、彼らはそれに反対しているのだ。この点で、原発推進派と、温暖化論懐疑派は、結果として、政治的に一致する事実がある。)


連投34 (温暖化懐疑論者は、主張するのはいいが、炭素税の必要性を否定し、エネルギー需要を増やすという点で、原発推進派に利用されないように注意すべきである)


連投35 結局、すべての問題は、政策決定のプロセスに行き着く。・・逆に、エネルギー政策をめぐる利権構造を変えない限り、温暖化対策をすすめることは絶対に不可能である。・・京都議定書第二約束期間に参加しないことになり、炭素価格付けに関するインフラは瓦解寸前にある。


連投36 これまでの日本では、外圧(災害、中国、米国など)が国の基本的なシステムを変えさせてきた。もし、原発事故という大きなきっかけがあっても、日本のエネルギー政策、そして結果としての温暖化政策を変えることができないのであれば、どのような外圧が必要になるのか


連投37 考えるだけでも恐ろしく、かつ悲しくなる (現在の40度越え、熱中症で死者多数というのが、「外圧」になるか。しかし、すでにそれを温暖化問題と関連付ける「脳」が(ジャーナリズムが、IWJでさえも)ないから、どうしようもない。だから私が連投デモをした。)



4.「炭素税不要という点で、温暖化懐疑論者は原発推進派と同一の立場である」  陰謀論温暖化懐疑論者の自己矛盾

温暖化問題で騒いでいるのは、稀人な情勢だが、この辺でひとつ区切りにして、記事にまとめておく。「炭素税不要という点で、温暖化懐疑論者は原発推進派と同一の立場である」日本の温暖化懐疑論者は、ほぼ反原発論者だが、彼らが実行力を持つ政策レベルで、同一の方向性を示すという矛盾。


この矛盾により、日本で懐疑論者が頑張れば頑張るほど、原発推進論者は、炭素税導入の必要性もなくなり、有難い情勢になる。政治的には、この点で、温暖化懐疑論者は、原発推進勢力を助けていることになる。


「え、温暖化懐疑論者は、気候温暖化の背後にある原発企業の陰謀を暴くのではなかったの?逆に、日本では、原発企業の都合がいいような世論を作っているの?」どうも、結果としては、そうなっている。これが、今回のポイントである。


懐疑論者の動機としては、別だろうが、結果としては、そうなっている。武田先生が、岩上安身ほどには、テレビで忌避されない理由は、そういうところにもある、かもしれない。


環境省サイト IPCC第4次評価報告書についてより
独立レビュー組織による「クライメートゲート事件」レビュー報告書に関する英国イーストアングリア大学の声明
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/ipcc_statement/20100708.pdf


「本日、3番目の、そして願わくば最後の、徹底的な独立レビューが、我々の科学に対する言いがかりによるこの圧倒的な攻撃を、根拠のないものとして明らかにしました。」


「我々が望むのは、コメントする人々が、この大変詳細な独立報告書が述べていることを精確に考慮し、最終的には陰謀説や世間に流布している虚実・誤解を捨て去ってくれることです。」 岩上さん、目醒ましてくれんかなあ。


国連及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の要請に応じた、IPCC のプロセスと手続についての、科学アカデミーによる独立レビューの実施
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/ipcc_statement/20100310a.pdf
気候は人間活動によって変化しており、その影響は既に世界中で実感されている。
むしろ、より最近のデータで示唆されるのは、IPCCの2007年報告書は人間活動による気候変化を過小評価していたことである。
そう、IPCCの温度上昇予測は、実感から見ると、あと世界政治状況からみると、甘すぎると思う。



P.S. 明日香教授他が、かなり以前から精力的にネットで発表していた「地球温暖化懐疑論批判」から発展した文書PDFが見つかったのでリンクとして提示しておく。
http://www2.ir3s.u-tokyo.ac.jp/web_ir3s/sosho/all.pdf#search='%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E6%87%90%E7%96%91'
明日香壽川    河宮未知生    高橋潔 
吉村純      江守正多     伊勢武史
増田耕一     野沢徹      川村賢二
山本政一郎