ドイツ産業界の応援で成立した経緯をもつナチス

  Ph.Dの称号も持つ指揮者で音楽家の伊東乾氏が、麻生副総理のナチスの手口に学べ関連で、かなり本質的なツイートをしていた。彼は、よくわからないほど多才な方なのだが、ドイツでナチズムについても調査していたことがあり、今後、まとめてなにかしないとと思っていた所だったとのことである。ツイートで短いやり取りができたので以下付記。


Ken ITO 伊東 乾‏@itokenstein
だから声を大にして言わねばならない。ナチスの事例は「特異」なんかじゃなく経済合理性を過度に優先すればどこでも起き得る優等生の解である事、さらに言えば国連ベースでは戦後の西ドイツと日本は同じ目線で見られており、余計にナチス以前以降の経緯を日本は等身大のケースとして参照すべきである事


sarabande‏@HSarabande
@itokenstein この点が、非常に重要だと思います。田野慶子「ドイツ資本主義とナチズム」によると、ナチズムには官僚、軍部から反対の声はあがったものの、経済界・企業家からは、一切上がらなかったということです。現在のコーポラティズムの極まりがどこに向かうかを、暗示もしています


Ken ITO 伊東 乾‏@itokenstein
@HSarabande バイエルン産業界の後押しで成立した政権という面があると思います。


sarabande‏@HSarabande
@itokenstein そうですか。そこまで産業界と図星の関係があったとは思いませんでした。今の有力政党を見渡してみると、危ない危ないと思ってしまいます。




 ナチの思想、ヒトラーのカリスマが、魔力的に民衆をひきつけたのが半面あり、後の半面は、産業界の応援があったということだ。後の半面の存在が示すことは、市場原理が、あるいは資本が、暴力性、侵略性につながるためには、あと一つ、ちょっとしたスパイス思想、優越民族思想と、他民族、他宗教への侮蔑、権利はく奪があれば、事足りるということを示している。例えば、「イラク〜、アルカイダ〜、大量破壊兵器〜」と、嘘も100回言えば式に、FOXニュースを中心に大量に流されていた時期が米国にあったが、これは、明らかにそのスパイスである。
  締結内容が国民に対して4年間秘密に付されるという、言語道断な条約TPPも、この立派な一例ではないだろうか。戦勝国であり、覇権国でもある米国のグローバルエリート(エリートの本来のいい意味からすると、似非エリート)と、その他のものという、人種民族というよりも、資本による有権、無権主義が、国民主権、民主主義の上に君臨しつつある。さらに、無権者=TPP条項を知る権利から排除されている者が、市場価値、つまり有権者からすると、利用価値によって、ランク付けされ、「物象化」される。日本人1億2千万の中で、このTPP条項にアクセスできる権利を持つ真の「有権者」とみなせる人を、交渉官の官僚100人、限定された政治家と企業幹部など150人と、おおよそ見積もると、その比は、1%対99%どころではなく、0.0002%対99.9998%の世界である。さらに、韓国の例をみれば、交渉官でさえ、英語の文面が本当に理解できているのか、わからないような協定である。
 こういうことが予想されたから、私はデモにでて叫んだ。位階剥奪されるであろう1億人全員が街頭にでて、一回は叫ぶ義務があると思いながら、叫んでいた。各自、一回だけでいい、それで歴史が変わるのだ。安いものではないか。



過去記事リンク
Capitalist loved Nazism
http://d.hatena.ne.jp/sarabande/20130619