福島での多発死亡事例と、その考察
7月18日のブログ記事で、「福島県と静岡西部のお悔み欄の比較から考えること」と題して、あまりに福島県の7月のある日のお悔み欄での若年死が多いことから、放射性物質による健康障害が「死亡」という形で明らかになり始めるフェーズに入ったのではないかと考察した。http://d.hatena.ne.jp/sarabande/20130718
福島県の本年7月のある日のお悔み欄の年齢構成を再掲するとこのようになる。
若年死 壮年死 老年死
県北 （63 65 67）
郡山（24） （63） （71 83 82 86 90）
会津（46） （65） （84 88 89 99）
いわき（37 41 44 44） （58） （80 93）
震災直後より、東海村での再臨界事故の経験から、被曝の危険を強く訴えている木下黄太氏が、この数日のブログで福島県内でおきている、これまでになく多発している死亡事例について報告していた。これらの事例は、7月のお悔み欄で増加している若年、壮年死の実態を物語っていると考えられる。統計的な考察を踏まえると、こういった事例は決して特殊ではなく、当たり前のように毎日多発するようになっていると考えられる。伝聞調の記録に過ぎないが、汚染がごく軽度の日本の他の地域と比べて福島で増えている死亡事例の具体的な像を反映していると考えられるので、以下にまとめてみる。
8.30 県民健康管理調査で「異常なし」と言われた34歳男性が、半年後にガン多発⇒多臓器不全で亡くなる福島。
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/d/20130830
34歳男性
2012年1月検診で問題なし
7月末 発熱 癌が判明
8月入院 すでに転移多発
10月末 死去 全経過 3か月
8.27 葬式手伝い中に突然死、退職手続き中に突然死、朝のトイレで突然死、幼馴染は白血病死、福島からの連絡。
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/d/20130827
福島県南地域
40代半ば 2012年 急性白血病 数か月の経過
中学2年女性 2013年1月入院 3月死去 急性白血病？
50代後半女性 13年7月から夕方になると発熱 胆のう癌 余命半年
「気にしたら暮らしていけない」と自家野菜を食べていた
60代男性（上記50代後半女性の下の家）
急に倒れて亡くなった
50代男性 2012年7月 突然夜に急死 同様の例が他に2〜3名
「朝、ご主人の姿が見えなくて探していたらトイレで亡くなっていた」というパターン
50代後半男性 葬儀の手伝い中に急死
60歳退職した人 手続き中に倒れて急死
以上みると、50〜60代男性の突然死が、一つのパターンとしてありそうである。それほど激しい運動はしていないときに、急に倒れてなくなっている。夜間トイレに行った時が、なんらかの誘発になっているようである。多分、まったく食事には気を付けていない、ネットもほとんど見ないような世代の人たちだろうと思う。不整脈＋αによる「心臓突然死」だろうか？
さらに、10代から50代までで、急に進行する癌がみられている。内外被曝との関連が明らかである白血病のみならず、胆のう癌もある。木下は、「なんというか、チェルノブイリで、ふつうに突然死が相次ぐ状態と、まさにおんなじような状態で、福島県内で突然死がおきている状態を懸念する方から、伝えられていると言う事です。こうした突然死が相次ぐと、次に怖いのは、血液疾患の多発です。それが子供に多くおきることが本当に懸念されます。しかし、こうした報告を聞いていると、チェルノブイリでおきたことが、既にそのまま福島では繰り返されています。」と訴えていることは、そのまま現在の警告として、受け入れるべきであろうと思う。
ただし、この情報提供者は、「地域名を明かすと、そこで生きていけなくなる」と、これまでよりも強く訴えてきているとのことである。福島の現状をありのままに語ることは、企業内部告発と同等かそれ以上のリスクを負うようなものとなっている。これは、ある意味、健康障害を温存、存続させるような強力な同調圧力、隠蔽圧力が福島県で働いているということである。もしかしたら、これこそが、福島第一原発事故を起こした、日本人一人一人が集団化するとつくりだしてしまう社会的空気ではないか。私には、この空気は、現地で起きている健康障害（わかれば適切な医学的処理はあるにはある）よりもたちが数段悪いように思う。これには、癌のように一人を殺すのではなく、多人数を見殺す力、見捨てる力、イノセントな無意識的な残忍性がある。
