禅による生活

 この数年、夏になると禅会に、1泊だけだか参加している。しかし、年に一回だけでも、テレビもラジオも、ネットもない所で、坐禅、作務、食事、提唱、独参、昼寝、就寝と、黙々と過ごす時間をとるというのは、ライフスタイルを刷新するのに役立っていると思う。この禅会での生活を基礎に、一日の生活リズムを組み立てようという思いが、終わってからも続いている。
 坐禅し初めの時は、それは苦行に他ならなず、求めるものがあるにせよ、禅会もないのに、自分ひとりで毎日坐るようなことは、考えられなかったが、この4年ぐらいは、ほぼ毎日、30〜40分坐るようになった。さらに、今回の禅会の後からは、一日2回坐ろうと思い始めている。それだけ、「薬」としての効果が実感されるようになっているからだと思う。「ああ、明日の朝も坐禅するのだ」と思うと、今の生活のつらさが、少し楽になる。
 7月号の『大法輪』は呼吸法が特集となっていたので購入したのだが、自分の坐禅時の呼吸その他を見直すいいきっかけになった。丹田を点としてではなく、楕円として意守するとか、禅那と三昧の違いとか、いろんな流派の禅定の仕方を一通りみる、手軽ないい資料になる。だが、私も俗人から遠く離れた所まできてしまった感もある。最近は、偽らずに、自分の道として意識的にやってゆく覚悟である。