自らの修身法 経絡の意識

 最近は、自分の姿勢について、本気で考え、メインテナンスしようと思うようになっている。それは、自分の慢性的な頭痛や、会陰部あたりの痛みが、どうも、経絡の問題と関係がありそうで、その経絡の気の流れを改善するためには、気功や漢方薬、水泳などの運動、などなどでは、限界があり、督脈(背骨から頭頂部にかけて)とその周囲をしっかりさせる必要があるということに、気づいたからである。この気づきは、岡山の鍼灸院に見学にいったときに、目の前で背部のゆがみを整体的に調整し、その後に、鍼のみでよくならなかった肩こりがよくなるという例を見る機会に接して得られたものであり、その時に先生が、脊柱や周囲の筋の緊張が、気の流れを阻害している場合があると述べていた。 
 自己指圧で、ある程度の効果を実感していたのだが、その気づきを得てから、姿勢や歩き方まで、しっかりと見直そうと思うに至った。そんな頃に、自宅前の道路で、昔テレビに出演していたデューク更家がやっていた、トルソーウォークをひょいひょいとやって歩いているおじさんをみかけ、これだと思い、本を探して数冊買いこみ、自分なりに健康法としてできる部分をまとめて、やるようになった。これまでのトレーニングでは手の届かなかった股間部、体幹部、さらに、「デコルテ」と言われる肩甲骨、鎖骨周辺から、頸部にかけての部位に、うまく作用するようなストレッチがあり、習慣的にやるようになってから、もう一歩体調が安定してきた気がする。独特の一本の線上を歩くという歩行法も、これを意識的にやっていると、体側部の経絡(側頭部に達し、足少陽胆経かと思う)の緊張が緩和する感じがあり、デュークズウォーク自体が、一種の導引術にもなっているんじゃないかと感じる。
 禅では、「調身、調息、調心」と、身と息を整えることで、心が整うと述べる。これを徹底したのが、只管打座ともいえ、形をとにかく作ることで、そこに仏心がやどってゆく、そして、それが修行のはじめであり、終わりであるということだと思う。坐禅は、週に4,5日程度、5年ぐらい前から続けているのだが、デューク更家のことを真面目に勉強するようになって、坐禅における上半身から頭部にかけての意識が、こういうものが正解なのかと思えるものが、得られるようになってきている。そして、坐禅時の姿勢が、坐禅後も、仕事中も、もちろん、歩行時も、ほぼ1日中つづけることができるようになってきている。『禅による生活』という鈴木大拙の本があって、題名が気に入っているのだが、まさしく、それが苦痛を伴う修行ではなくて、むしろ、その生活の仕方でこそ、身体が楽になり、心も「邪気」に染まらずに、まっすぐに保てるような感じがする。
 ちなみに、本日のアフターファイブのメニューは、練功十八法後段と、デュークストレッチ数種類、それから、経絡体操6種、そのあとで坐禅40分(山田松の線香、沈香を焚く)、さらに、観無量寿経の講話本の音読である。このくらいやると、身体感覚が整ってくれる。
 これでいいと思う。