NHKニュースの編集権者は誰なのか

1.NHKがトップニュースで率先して流す「政治とカネ」報道に翻弄される政治家と国民から考える


 稲田朋美政調会長が、東京裁判否定発言をしているようで、おそらく、安倍も最終的な思いはそこにあるのであろう。これは、確実に米国の虎の尾を踏む。最近、元NSA職員のスノーデン暴露情報にもとずく調査から、実際に、米NSAと英GCHQが携帯電話通話解読可能となる暗号キーを犯罪的手法で入手していたという報道もあったが、ドイツ首相も盗聴されているくらいだから、日本首脳たちの会話や携帯、メールは、もちろん米国に監視されているはずである。戦後70年の「安倍さん談話」発表にに向け、東京裁判史観否定の閣内の動きを察知した米国側が、日本のNHKをはじめとしたマスメディアを動員して、「業界からの献金」「政治資金規正法」の「政治とカネ」ネタを上げ始め、「安倍さん談話」を東京裁判否定史観にしないように締めているのかと勘繰ってしまう。米国の意向を踏まえた小沢一郎失脚劇といえる、天下のNHKを巻き込んだ3年にもにわたる「政治とカネ」事件を知るものにとっては、そう勘ぐってしまうわけだ。当時、NHKニュース7を見るたびに怒りがこみ上げ、NHKお客様センターに携帯電話で電話をするものの、なしのつぶてであり、なにか、民主主義や放送法の遵守とは異なるような、大きな「壁」が立ちはだかっているのを感じた。今から思えば、これはイラク米大使館の城壁のような壁だったのかと思う。


【参考記事】
自民・稲田政調会長 「東京裁判は法的に問題がある」
http://www.sankei.com/politics/news/150226/plt1502260025-n1.html

 自民党稲田朋美政調会長は2月26日のBS朝日番組収録で、太平洋戦争などをめぐり日本の指導者が責任に問われた東京裁判について「事後法(での裁き)だ。法律的には問題がある」との認識を示した。一方で「判決は受け入れている」とも述べた。同時に「(歴史を)自分たちで検証する態度を持つべきだ」と語った。稲田氏は弁護士資格を持っている。



 適当な「関係者情報」を流し、嘘や誇張が明らかな小沢事件当時から、NHKニュースの最終的な編集権をいったい誰が持っているのか、それが日本の民主主義政治にとって非常に重要なマターではないかと思うようになった。この点について、ツイッターを通じて若干のジャーナリストにメンションを飛ばしてみたが、御返答はいただけてはいない。そんな中、元フォーブス太平洋局長までやり、立派に帰化してしまった日本人、古歩道ベンジャミンがネット番組で、「NHKのニュースはアメリカの軍人にチェックされている。自分の知り合いもNHKにいた。自分の目と耳で確認しているんだよ。(ジェスチャー交えて必死に)陰謀論じゃないよ。」とのべていることを、ツイッターで流れる情報から知ることができた。彼は、現役記者当時の経験を述べている。彼の「ノンフィクション」は、怪しいが、彼の体験談も否定するということになると、彼が幻覚をみていたということになるが、そこまではいいがたい。となると、彼の発言は、幻覚や妄想でないか、あるいは、ある程度の脚色、誇張がはいっているかどちらかになる。古歩道以外の証言もほしいところであるが、もし事実なら「戦後史の正体」を今現在に繋げることだと思う。
 今回の「政治とカネ」問題は、安倍がいくら会長を籾井にしても、新聞社社長を懐柔しても、避けられなかったものだ。安倍は、戦前と異なり、日本メディアを支配しきれない。つまり、安倍以外の権力者、安倍が従軍慰安婦番組のNHKプロデューサーに圧力をかけるようにはかけれない者、小沢事件を執拗に報道していった主体、つまり、米国の介入が、いざという時には特に、あるということであろうと思う。この問題に対する無自覚なままの放置は、まさしく、戦後日本の「無知の無知」であり、被支配を知らぬ被支配であろう。そう思うと、街中を軽自動車にのり信号待ちのブレーキを踏みつつ、目を細めて遠くをみたくなるわけだ。日本人は敗戦後、長らくの間、知らないうちにこんなところに囲い込まれてしまっているのか。

 これは、逆にみればだが、「被支配を知らぬ被支配」の知、やっとそういう所に、戦後70年かけてきたのかもしれない。検察捜査機関、情報機関、正統派NHKをも巻き込むマスコミによる「政治とカネ」スキャンダル報道による、与野党内戦勃発と、民主的に選ばれた特定政治家の、正義の国民、民衆による弾劾、その後の政権交代や役割交代。これらによる自発的な被支配の檻である。ちょうど、TPP問題や原発問題を、真正面から報道しようとするキャスター、ジャーナリストが、いつの間にか表舞台からいなくなっているように、気骨のある政治家が、「政治とカネ」等の報道の結果、権力の中心からいなくなってゆく。その「戦後史」の知である。


【古歩道ベンジャミン出演動画 冒頭、米国政府内の深刻な分裂についても述べている】
NET TV ニュース.報道 "国家非常事態対策委員会 2015 0219"
https://www.youtube.com/watch?v=NfApCwt6xGQ&feature=youtu.be
古歩道ベンジャミン、朝堂院大覚と、妙に人のよさそうな司会者による放談番組

22分から文字おこし
「僕の知人がNHKで長く働いているけれども、NHKの中にアメリカ軍人が滞在している。必ず、全部チェックしてからニュースがでる。要はアメリカに占領されたものなんで最後に国民に出る情報を決めるのは、外国人なんですよ。アメリカ人。中にいる何人か知り合いがいるので。僕も、日経新聞や、フォーブスの太平洋支局長や、やっていて、この連中みんな知ってるのよ長年。直接、自分の目で見て、耳で聞いて、現場でわかったことだから言っているんですよ。どっかの陰謀サイト読んだものではないよ。」


 本来、国民、及び、小沢を得意になって追い込んでいった政治家がとるべき態度としては、まずもって、「政治とカネ」で結果的に無罪でとなった小沢を大悪党にしてしまったことに対する懺悔がなくてはならない。また、NHKは、籾井が謝罪し、大越の首を切り、その上ではじめて「政治とカネ」のフレーズを使えるはずだ。それらがないまま、「政治とカネ」フレーズに国民と政治家が踊っているのをみるのは、「テロとの戦い」の出口戦略なきループに入るのと等しくみえる。



2.戦後NHKの歴史から考える  フランク・正三・馬場の存在 


 今回、NHKの最終的な編集権問題をネットでちょっと検索してみて、フランク・正三・馬場という、GHQの一員で戦後NHKをつくっていった要となった人物をみつけることができた。以下、Wikipediaの記事を部分的に引用しておく。NHKの枠組みがGHQ日系人によってつくられたというのは、新発見である。また、彼は「日本は民主化されたと思っているが、NHKと新聞社を牛耳れば日本の世論は1週間で変わる」、だから、「安全弁として競争する民間放送局を設立すべき」だろうと述べていたわけだ。この発言の真意は、民主主義を日本に根付かせるために、安全弁として民間放送局を作っておいた方がいいということのようにもとれるが、結果としては、「NHKと新聞社を牛耳れば日本の世論は1週間で変わる」ことが利用されつづけているのではなかろうか。つまり、安倍の首をとるように、日本人の世論も「一週間で変わる」わけだ。


フランク・正三・馬場
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E6%AD%A3%E4%B8%89%E3%83%BB%E9%A6%AC%E5%A0%B4
フランク・正三・馬場(フランク しょうぞう ばば、Frank Shozo Baba、1915年1月3日[1] - 2008年1月16日[1])は日系アメリカ人二世、連合国軍最高司令官総司令部GHQ)として日本に来て民間情報教育局(CIE)のラジオ課の一員として働いた。1945年(昭和20年)12月から日本に来て日本放送協会NHK)の戦後の放送番組企画や日本の民間放送設立案に尽力した人物。


GHQNHKのラジオ放送は『民主主義を育成するための最も強力な武器』と位置づけていた。1945年9月5日GHQは内幸町の放送会館を接収した。GHQは全館明け渡しを迫ったが、NHKは放送設備があり明け渡せないとして放送会館でGHQNHKの同居が始まった。CIEラジオ課は放送事業の指導・監督を行い馬場は番組指導のキーパーソンとなった。


米国戦略爆撃調査団はほぼ2か月の調査を終え米国へ帰国することとなったが、日系アメリカ人二世の馬場は放送を通して日本国民や日本の再興に必要な人材と説得され日本に残った。


馬場はGHQが日本を離れた後NHKだけでは一抹の不安を感じており、ラジオ課が主体性を持って進める必要が有ると考えた。日本は民主化されたと思っているが、NHKと新聞社を牛耳れば日本の世論は1週間で変わる、安全弁として競争する民間放送局を設立すべきとラジオ課課長に訴えた。