秋葉山下社~気田川 サイクリング記

 このところ、輪行バックに自転車をつめて、車で運んでサイクリングをすることに慣れてきたので、時々、といっても、年に数えるほどしか行かないのだが、サイクリングらしいサイクリングをやっている。本日は、予定変更もあり、一日時間があいたので、天竜の森と川沿いのコースである、秋葉山下社から気田川沿いのルートを行った。大井川サイクリングの記事のときと同じ種本にあるルートで、船明ダム運動公園駐車場に車を止め、そこから、秋葉山下社まで、国道362号で登り、そこで折り返して県道286号で下ってくる。下社に行く直前に、「秋葉橋」というのが架かっていて、意外と簡単に橋下に行け、さらに、安全に川の流れのすぐそばにまで、足をのばすことができる。


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秋葉橋、橋下から、気田川を望む。この辺は、とんびが上空を巡回している。千年、万年前と全く同じく、誰に言われたわけでもなく、水は流れている。
https://pic.twitter.com/DoPUdheO4M


禅的な注)
川の流れよ、お前は、どこから来たのか?これは、古い公案「是れ什麼物か恁麼に来る(これなにものかいんもにきたる)」となる。
http://zenken.agu.ac.jp/word/familiarity/04.html
「是れ什麼物か恁麼に来る(これなにものかいんもにきたる)」
「什麼」(甚麼)は、「何」と同じ疑問詞です。「恁麼」は、「このように」(如是)という意味ですから、この問は「何ものがこのように来たのか」という意味になります。答えるのに8年の遍参を要したということは、単に名前を尋ねたのではないと言えます。「何ものがこのように来たのか」、すなわち「このように来たのは何ものか」ということは、「おまえとは何ものか」ということで、問われた懐譲の側からすれば、「自分とは何ものか」ということになります。仏道の中心課題である自己の究明がなされているかどうかを、六祖は問うたのです。それに対する懐譲の答は、「説似一物即不中」(ことばで説いたとたんに的外れになります)です。自分とはこのような者ですと、幾らことばを費やしても、自己そのものは言い表すことは出来ません。そう懐譲は答えたのです。




 ここから、ちょっと行くと秋葉山下社。参道入り口には、食堂とみやげ物店、それから、旅館が一緒くたになった2階建ての古い建物があるが、さすがに平日の昼間で、店員も含め人影が見えない。しかし、旅館の営業は続けているようで、ご立派だと思いながら、脇を通り過ぎる。秋葉山は防火の神社として、江戸時代には名を馳せたようで、「秋葉原」の秋葉も、この秋葉神社に由来するようだ。末社が全国にあるような神社ではあり、本殿やみやげ物屋には、赤白紅白姿の女性売り子や、男性の職員も、6人ぐらいは目を光らせていて、それなりの所なのだと主張している。



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秋葉山、下社の参道両脇にある灯籠。デザインが場所とジャストマッチしている。11月下旬に秋祭りがある。火を祭る社として有名だが、御神体は円鏡だ。 https://pic.twitter.com/p28aKbsRKp



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秋葉山下社からつらなる、県道286号。なだらかな下りの川沿いで杉林の緑の中を走って行く。森の緑と川と木漏れ日の光の織り成すスペクタクルが堪能できる。サイクリングの醍醐味満点の道だとおもう。 https://pic.twitter.com/RDQnjogfs8



 この県道286号は、昨年は夏場に走ったのだが、この道ほど、自転車という乗り物の楽しさや、森林サイクリングの味というものを、楽しめる道は、少ないんじゃないかと思わせるほど、お勧めの道だ。心地よいカーブを描きながらのワインディングロードが、30分は続く。夏場の真昼でも、日光はさえぎられるので、結構涼しさも感じる。しかし、冬場は、午後3時頃になると日が山に隠れてしまい、木漏れ日の美しさというのが、味わえなくなる。本日はもっと、早く起きていけばよかったと後悔してしまった。


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県道286から垣間見れる気田川。 https://pic.twitter.com/rZL8U4D1n7



 サイクリングコース種本(白鳥和也 静岡県サイクルツーリングガイド)のコースでは、県道286から、通行量の多い干からびた感じの道路である国道152へ入り、道の駅「花桃の里」から歩行者自転車専用橋の「夢の架け橋」を渡らせる趣向だが、こっちの道よりも、私は、横山橋を渡って県道360号に入り、船明ダム湖につながる湖化してゆく天竜川を堪能できるコースをお勧めしたい。天竜川ボート場という所もあり、湖畔沿いのサイクリングといった感じも味わえる。


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横山町を抜け、ちょっと登った所からの天竜川の眺め。今日一番の川の眺望だった。 https://pic.twitter.com/0EN4Ab9zt0



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県道360号沿いにある天竜川ボート場。 pic.twitter.com/3JLxcpJyq4



 この360号沿いも、ゆっくり味わいたい道だったが、出発後45Km程度走った、山中で日没もしてしまった後で、薄暗く、いそいそと通り過ぎた。今回のルートは、川と湖、山と森と神社を味わえる、静岡県西部のいいサイクリングルートだと思う。